シャンプーを購入する際、皆さんはどんな事を気にして選んでいますか?
『パッケージがお洒落だから』
『憧れの綺麗な女優さんがCMをやっていて、めっちゃ髪がサラサラでキレイだったから』
『香りが好きだから』
この辺が多いのじゃないかな~?と想像します。
イメージが先行。
でもイメージで選んでしまっているシャンプーによって髪だけでなく髪が生えてくる頭皮(皮膚)まで傷めてしまっている事があるんです。
洗うものって結構大切なんですよ!
そこで今日はシャンプー剤に含まれる成分の中で、1番重要な洗浄成分について解説をしていきたいと思います。
それではどうぞ最後までお付き合い下さい~。
Contents
髪が傷まないシャンプーの選び方は?
皆さん、シャンプーに1番必要な機能って何だと思われますか?
はい、簡単なことかもしれませんが、1番は『しっかり汚れを落とす』事です。
日常生活をしている中で、汗をかいたり、頭皮からの皮脂汚れ、スタイリングに使った整髪料、ほこり、空気中の排気ガスやチリ、花粉などなど…思った以上に人間の頭は汚れています。
それらの汚れをしっかり落とせずにいると、フケが出たり、かゆみが出たり、頭皮湿疹になったり、雑菌が繁殖したりと様々なトラブルの原因になってしまうので、シャンプーを選ぶ際は、しっかりとした洗浄効果があるものが必須条件といえます。
2番目は、『頭皮(皮膚)や髪に対して安全』であること。
いくら汚れが落ちるからと言って、強い刺激のあるもの毎日お手入れしていると、髪や頭皮(皮膚)を痛めてしまうことになりかねません。
3番目は、『人体にも地球にも優しい』こと
最近では環境に対してやさしいことも注目する方が増えてきましたので、生分解性に優れている、人体に害を与えないことも大切な一つですよね。
私はアレルギー体質なので、ここは個人的にとても重要なポイントになってきます。
4番目は、『使いやすく仕上がりや感触がよい』こと
すすぎやすい、指通りが良い(からまない)、ツヤ出る、手触りがよい、良い香りで癒される…などもシャンプーを選ぶ際には気になる点だと思います。
いくら良いものでも、使いにくいものって、続かないですよね…
現役美容師の私がおすすめする洗浄成分2選!
ズバリこの2つになります!
1位 お酢系
2位 石けん系
シャンプーの構成成分は、商品の裏のラベルを見る事でチェック出来ます。
平成12年から厚生労働省告示によって、製品の全成分表示が義務づけられ『成分名の記載順序は製品における分量の多い順番に記載をする』と言うルールになりました(1%以下の成分や着色剤については順不同)
シャンプーの成分量の比率としては製品にもよりますが、水が約6割、洗浄成分(界面活性剤)約3割、保湿剤、コンディショニング成分、香料、防腐剤…といった具合に続きます。
汚れを取るための洗浄成分(界面活性剤)は水の次の2番目に記載されている事がほとんどです。
どのような洗浄成分(界面活性剤)が使われているか?によって髪や頭皮のダメージにつながってきますので、なるべく今の自分の状態に合った洗浄剤を選んで使うことがとても大切です。
では、その理由も含めて洗浄成分の特徴を説明していきたいと思います。
現役美容師がシャンプーの成分と特徴を解説!
では洗浄成分(界面活性剤)についてどんなものがあるのか見ていきましょう!
硫酸・スルホン酸系
泡立ちがよく、洗いやすい、大量に生産できるのでコストパフォーマンスが高く手軽に購入できます。
また洗浄力が強いので脱脂力が強く、タンパク質変性を起こしやすいので、バサッっとした仕上がりになりやすいと思います。
ヘアカラーの持ちが悪く、せっかくの色味が早く退色してしまうなどの特徴があります。
皮膚刺激が強いので、敏感肌の方や、頭皮トラブルがある方、髪のダメージを回復させたい方には向かないのでおすすめしません。
代表的な成分例
ラウリル硫酸ナトリウム・オレフィン(C14-16)スルホン酸
一般的にドラックストアに、売られている製品に多い洗浄成分ですので、シャンプーを購入の際には裏ラベルチェックをしてみて下さい!
アミノ酸系(グルタミン酸系)
人体を構成するタンパク質(アミノ酸)をベースに作られているので刺激が少ないと言われていますが、身体と同じ構成成分(アミノ酸)なので肌に残留しやいと言われています。
それゆえ、かゆみを引き起こしたり、アレルギーの原因となったりする可能性もあります。
アミノ酸系の中でも、グルタミン酸ナトリウムは皮膚刺激もあることが分かっています。
泡立ちは弱め、洗浄力も弱いため、ヘアカラーの持ちは良く洗い上りは良いのですが、皮脂腺の分泌が過剰なタイプの頭皮の方には向きません。
余分な皮脂を落としきれない(洗えてない)って事になってしまいます。
代表的な成分例
ココイルグルタミン酸ナトリウム ラウロイルグルタミン酸TEA
アミノ酸系(タウリン系)
髪や頭皮に刺激が少ないため、ベビーシャンプーなどにも使わている成分です。
グルタミン酸系と同じく、洗浄力は弱く泡立ちは弱めですが皮脂を取りすぎる心配がなく仕上がりがふんわりと軽いので、敏感肌の方、髪がペタっとつぶれやすい方には向いています。
※アミノ酸の構造ににているのでアミノ酸系に分類されることが多い
代表的な成分例
ココイルメチルタウリンナトリウム ラウロイルメチルタウリンナトリウム
頭皮の皮脂汚れが少ない方にはOK。
ベタイン系
肌に優しいと言われていて、こちらもベビーシャンプーにもよく使われています。
保湿力が高いので、頭皮の乾燥が気になる方、かゆみがでている方、堅い髪の方などには向いています。
ただし洗浄力は弱いため、脂性肌の方は物足りなさを感じたり、洗ったと言うサッパリ感を期待することはできません。
代表的な成分例
コカミドプロピルベタイン ココアンホ酢酸ナトリウム
男性はやめておいた方がいいと思います。
石けん系
頭皮には刺激がなく安全ですが、洗浄力が高めなので、頭皮の肌質によっては皮脂を落とし過ぎる場合もあります。
余分な成分を含んでいないため、自然派志向の方に好まれるシャンプーですが、お湯ですすいだ時に、水の中に含まれる、カルシウムやマグネシウムと反応して『石けんカス』が髪に残りゴワっとした手触りになりやすいので、酸性のリンスでアルカリに傾いた髪の状態をしっかり中和することがゴワづかずに扱いやすく仕上げるポイントになります。
代表的な成分例
石けん素地 脂肪酸ナトリウム ヤシ脂肪酸ナトリウム
リンスをていねいに出来るタイプの方にはおすすめです!
※チェンジングリンス(下記参照)
お酢系
極低刺激洗浄剤で特許を取得している成分だけあって、髪や頭皮への刺激がなく、泡立ちに優れていて、洗浄力もしっかりあって、生分解性にも優れています。
石けんと類似した成分ですが、石けんカスも残らず、髪の摩擦などもおこりにくく、カラーの持ちも良いとされているのでまさに万人向けと言えます。
成分名
ラウレスー3酢酸アミノ酸(特許第5057337号)
ようは、石けん系と同じ位刺激が少ない洗浄成分なのに、手間がなく普通に使いやすいんですよね。
タンパク質系
ダメージケア・エイジングケア、育毛シャンプーなどにに配合されている洗浄成分です。
泡立ちは割とよいですが、洗浄力は弱め、低刺激で人体に対する毒性や副作用もほとんどなく疑似的な補修効果があるといわれていますが、高価な原料なのでお値段が高めの製品に使用されています。
保湿力があり、コンディショニング効果があるので、加齢によるうねりやくせ毛、毛先のパサつきが気になる方に向いています。
代表的な成分例
ココイル加水分解コラーゲンナトリウム ラウロイルシルクアミノ酸Na
界面活性剤(洗浄剤)の働きは?
界面活性剤とは、物質の境界に作用して性質を変化させるものの総称をいいます。
分子構造的には、分子内に水に馴染みやすい(親水基)と油に馴染みやすい(親油基)を持っていて、本来は混ざり合うことのない水と油を混ぜ合わせる働きをします。
このような働きによってシャンプーは、お湯だけでは落ちきらない皮脂汚れや、油分を含んだ整髪料などを頭皮から洗い落とす役割を果たすわけです。
界面活性剤が汚れを落とす作用とは?
界面活性剤は主に『浸透作用』『乳化作用』『分散作用』『再付着防止作用』の4つの作用を持っています。
浸透作用
水に界面活性剤を入れると、表面張力が下がるので水に濡れにくいウールの繊維などでも水となじみやすくなり、繊維の中に水が浸透していくようになります。
乳化作用
水と油は混ぜても分離してしまって混ざりませんが、界面活性剤を入れると混ざってエマルジョン化し安定した形になります。
化粧品のクリームや乳液などもこの乳化作用(乳化剤)を利用して作られます。
分散作用
ススなどの細かな粉末を水に入れても表面に浮かんで混ざりませんが、界面活性剤を入れるとススの粒子のまわりを界面活性剤の分子が取り囲んでばらけるため、水に均等に混ざって散らばります。
再付着防止作用
上記の分散作用により、散らばって混ざったススの水溶液の中に布を入れても、界面活性剤の分子がススの粒子のまわりを取り囲んでいるため、布に付着しにくくなります。
洗濯物の汚れが再度衣類に付着しないのもこの作用によります。
傷みにくい理想的なシャンプーの手順と見落としがちなシャンプー後の2つの行動とは?
髪を傷みにくくさせるポイントはシャンプー選びだけではありません。
理想的なシャンプーの手順、ちょっとした洗い方のポイントをご紹介したいと思いますが、
見落としがちなシャンプー後の2つの行動もとても大切です。
それでは早速見ていきましょう!
傷みにくい理想的なシャンプーの手順
①シャンプー前に汚れを落とす、からみを取っておく意味でよくブラッシングをする
②ぬるめのお湯で(38~40度)髪を濡らしつつ、お湯で落ちる汚れをしっかりと落としておく。
③シャンプーは手のひらに伸ばしてある程度泡立ててから頭皮の数か所につける
(男性は髪の薄くなりやすい箇所に一番にシャンプー剤をつけない)
④洗うときは、爪を立てず指の腹で頭皮をマッサージするようにジグザグにオーバーラップをしながら洗う。
(髪の長い人も頭皮をしっかり洗い、毛先は泡をなじませる程度のイメージで良い)
⑤シャンプー剤はすすぎ残しがないようにしっかりと流す(ショートでも3分以上)
⑥リンス(コンディショナー)をつけて髪全体に馴染ませて(時間を置く必要はなし)軽く流す
石けんシャンプーの場合は洗面器を下にうけて、たまったリンス入りのお湯を小さな容器などでチェンジングリンス(何度かリンスを含んだお湯を汲んで流してを繰り返す事)をすると、髪や頭皮に石けんカスが残らないので、是非やってみて欲しいですね。
見落としがちなシャンプー後の2つの行動
さて、シャンプーリンスが終わりお風呂からあがりました。
そのあとの行動に髪を痛みにくくさせる重要なポイントがありますのでご紹介しますね。
濡れた髪をタオルでこすらない
タオルで髪の水分を取るとき、地肌はタオルで拭きあげても大丈夫ですが、髪の長い方は決して髪をこすってはいけません。
なぜなら、髪の毛は濡れているときは膨潤していて(水分でふやけている)薬剤が付いているときに次いで、傷みやすい状態だからです。
ですから、タオルで挟んで優しく水分を吸収するように気を付けていただけるとバッチリです!
すぐにドライヤーで乾かす
お風呂を出てからもあれこれと忙しく、すぐに髪を乾かしてなどいられない!
生乾きだけれど明日も仕事が早いから、乾かさずに中途半端なまま寝てしまうなんて事やっていませんか?
実はこれ、相当NG行為なんです。
自然乾燥と言うと、髪にダメージを与えていないようですが、実はドライヤーでサッと乾かしてしまうよりも乾燥を助長させてしまいます。
濡れている髪はキューティクルが開いている状態です。
ドライヤーで乾かさずにキューティクルが開いたままでいると、そこから内部の間充物質が出てしまったり、自然乾燥で水分が蒸発するときに髪の内部の水分を一緒に連れて行きながら乾くので、ドライヤーでサッと乾かしてキューティクルを正常な状態に戻した時よりもパサッと乾燥させてしまうのです。
また、乾かさずに生乾きの状態でいると、臭いが出てしまったり、雑菌が繁殖して頭皮トラブルをおこす原因になってしまいますので今日からは是非気をつけてみて下さいね。
まとめ
シャンプーの成分や特徴、理想的なシャンプーの手順、シャンプー後の2つの行動(ケア)をご紹介させて頂きましたが、いかがだったでしょうか?
『一髪、二化粧、三衣装』ということわざがある通り、髪が美しいと言うことは見た目を物凄く左右するとうことですね。
女性はお顔の化粧品選びやお手入れには手を抜かずに頑張りますが、頭皮には意外と無頓着だったりします。
頭皮とお顔は同じ皮一枚で繋がっています。
頭皮の健康を守ることは、お顔のシワやたるみを予防することにも深く関係してくるので決して侮れません。
でも、今まで気にしていなかったシャンプーの成分と言われてもなかなか難しいですよね。
ポイントは髪や頭皮(皮膚)に負担がかからない成分を使っているのか?です。
特に、根元から伸びてくる髪の毛は一朝一夕にはいきませんが使うシャンプーによって必ず質が変わってきます。
これを機会に美しく手入れのしやすい髪を目指して、気長に日々のお手入れをしていきましょう!